NPO法人 はぁとぴあ21 インタビュー

▼理事長・高和洋子さん

・①この学び場に込めている思い

はぁとぴあを立ち上げ、25年以上続けている背景には様々な思いがありますが、その原点の1つは3歳9ヶ月だった長男が亡くなった経験にあります。

長男が生まれた時、医師から「この子は重い心臓病を患っていて、いつまで命が続くかわかりません」と宣告されました。

生まれてからは常に病院と家を行き来する生活で、子どもの為に私は何ができるのかと考え続けていました。

「生きれる限り、本当に生きて欲しい。でも長くは生きられないとわかっている。」

その狭間で、もどかしさ、虚しさ、悲しみが渦巻いて。この子にこんなに生きて欲しいと願っているのに、大切に思っているのに、何もしてあげられない自分に深く罪悪感を感じていました。

そんな私に、3年9ヶ月を生きてくれた長男が教えてくれたことがあります。

それは「相手と心が繋がることの喜び」。 

心が繋がること、心を通わせることは、こんなに幸せなことなんだと。

はぁとぴあには小学生から高校生以上まで幅広い子ども達がいますが、無理に何か話を聞き出そうとしたりせず、目の前の一人一人をただただ受け止めて、ゆっくり心を通わせて、その子、その親の心の痛みやもどかしさに寄り添っていきたいと思っています。

・②この学び場に興味がある親子へのメッセージ

子どもさんの今の状態を否定せず、受け入れて、寄り添ってあげて頂きたいです。肯定してあげることで、長期間引きこもる必要はなくなります。
 
そして、心が通じるご家族の方がそばにおられることで、本人さんは安心して生きていく事ができるようになりますから、
 
将来のことを尋ねたり、なぜ行けないかを聞くのではなくて、ただ温かく、支えてあげて頂ければと思います。



私自身、次女が不登校になった時に、どう言えば良いかわからない、気休めのような言葉をかける気持ちにもなれない、子どもが落ち込んでいる表情を見るだけでも辛い気持ちになることもありました。

どうすれば、彼女のつらさを無くせるのか考え続け、何もできない自分に無力感を覚え、行かなくなって何日も経つと、正直寛容ではいられなくなりました。



ただ、今ここに通っている子ども達も、たとえ言葉を話せない・3人以上の輪では話せない・電話じゃないと話せない子ども達でも、「あなたが何に苦しんでいるのかを、ゆっくりでいいから理解していきたな」という姿勢で寄り添っていくと、安心してくれるようになります。
 
私たちと一緒に、子どもさんの心の痛みや気持ちを受け止めてあげてみませんか?

▼事務局長・高和正純さん

・①この学び場に込めている思い

ここは、理事長である妻が、20年以上前に母親クラブに携わっていたことから始まりました。 
  
 
妻が会長という立場だったこともあって、多くの母親から様々な悩み相談を受けるようになったんです。
  
そこで、はじめは自宅の一室を相談スペースにして日々相談に乗るように。
 
その後、定年した私も妻とともに本格的に活動するようになり、相談がさらに増え、自宅を約2倍に増築してより多くの相談に乗るようになりました。
 
すると、口コミが広がっていき、市外からも多くの方々が相談に来るようになりました。
 


はじめは個別相談から始まりましたが、その輪が徐々に広がり、今では地域一体となって100人規模、1番多かった時は500人規模のイベントも開催するほどになりました。
 
これからも、妻とともに活動を始めた頃から常に大切にしている「皆がほっこりできる、温かな気持ちになれる場所」を作っていければと思っています。